春をちらちらと感じますこの頃。
春の初めは一年の内でも
特別の事と存じます。
春の初めの花と言えば
「菜の花」でございましょう。
黄色く一面に咲いた花々は
人の心にこう囁きます。
「春やでぇ…。」
と。
(…なんかごめんなさい。)
そんな菜の花でございますが
野菜という意味の「菜っ葉」
から来た名前なんだとか。
「菜の花」はアブラナ系の総称らしく
イメージされております黄色い花は
「西洋油菜」と言うそう。
私、今年は菜の花を摘んで
ごま和えなんて食べてみたいな。
と思っている次第でございます。
小事、小言でございますが・・・。
去年の話になりましょうか。
この場を借りて「カパカパ」という擬態語が出す
イメージについてお話させていただいたときの事でございます。
その時ふと昔を思い出した事がございました。
人生色々ございます。
人の数だけ人生があり
その数だけハプニングが生まれるわけでございます。
私、ここだけの話
ハプニングや失敗が大好きおじさんでございまして
もしかしたら、陰で「ハプおじ」と呼ばれているかもしれません。
ありがとうございます。
なぜハプおじになったのかと申しますと
なぜだか存じませんが
後で思い返すとハプニングの方が笑えるから
でございます。
ございませんか?
「あんなことあったよねーー!!(失敗談)」
それが好きなのでございます。
さて、話を戻させていただきます。
ふと思い出した事がございました。
それはいつになりましょうか。
私がまだ若者として
社会の荒波に船出した頃でしょうか。
とある大きな会社に潜り込むことに成功した私。
その会社のある店舗で勤務していたのですが
本部にいらっしゃる、あるお偉い様に
なぜか気に入っていただき
よくお酒やお茶の席に
同行させていただいておりました。
その上司はすごく厳しく
そしてすごく茶目っ気の効いた方でございまして
私の社会人としての甘さを色々な角度から
イジっていただいたのは良い思い出でございます。
今の若い方々からしたら、問題なのでは。
とお思いになる方もいらっしゃるでしょうが
私はその方に本名では呼んでもらえず
いつも冗談混じりの
変なあだ名で呼ばれておりました。
それは一重に
「まだまだ甘ちゃん」
と教えていただいていたのだと思います。
その勤務していた店舗は
鬼のように売り上げを立てる店舗でございまして
鬼のように売り上げを立てるということは
鬼のようにお客さまがいらっしゃるということでございます。
その店舗の来店者数を知りたがった上司は
私に数をカウントするよう命令。
私は押せばカチカチ音を鳴らし
数字がカウントアップするカウンター
通称「カチカチ」
を常備し波のように押し寄せるお客さまを数えていきました。
いつもお客さまがいらっしゃるので
いつもカチカチと音を鳴らす私にその上司は
「カチカチくん」
と新たな呼び名をつけ
何か用がある事に
「カチカチくーん、カチカチくーん。」
と私を呼んだのでございます。
そんな呼び方が続いたある夏のこと。
普段その上司はお客さまの対応をされないのですが
あまりにも忙しかったので、その上司も参戦し
お店を回すこととなったのでございます。
お客さまの対応は完璧な上司。
しかし本部にいたら触ることのない
レジの操作等が残っております。
私は、絶対困るだろうと見越し
何食わぬ顔で近くの商品を掃除するフリをして
その困る時まで息を潜めたのでございます。
商品の説明が終わりいざお代金をいただく。
案の定上司は周りを見渡します。
もちろん近くには何食わぬ顔の私。
商品の掃除をするフリをした私に
少し大きめの声で呼びかけます。
上司「カチカチさーん!カチカチさーーん!!」
上司いぃぃーー!?!!
ついには本名を忘れ
あだ名で呼ぶ上司。
震える私。
こちらを二度見するお客さま。
当たり前でございます。
お客さまからしたら
いざお会計というタイミングで
「カチカチさん」なる者が来るというではありませんか。
まだいつも通りのカチカチくんなら可愛いものの
お客さまの前なのでしっかり「さん付け」。
少し怯えた様子で私をうかがうお客さま。
「さーて、カチカチしちゃいましょうかね♡」
なんて言われるんじゃないかと不安げな顔。
「今日は特別に、強めのカチカチとシャレ込みましょうかねぇええ!!」
「ひえええぇぇえ!!!!!!」
じゃないんですって。
その後
私も「カチカチさん」として
しっかりお会計を済まし
上司と共にお客さまを外までお見送り。
上司はこう私に言いました。
「…ありがとな。」
以上、
事実が権力により隠蔽された瞬間でございました。