今年も梅雨の季節がやってまいりました。
雨の日の多くなるこの時期
いかがお過ごしでしょうか。
雨が続くと
少し疲れてしまう一面もございますが
ベランダでコーヒーでも
飲みながら雨を眺めますと
案外良いものでございます。
さて5月でございますが
この時期に旬を迎えております初鰹。
多くの方が好きであろう
なんとなく日本っぽい魚でございます。
初鰹と戻り鰹がございまして
春に獲れる初鰹と
秋に獲れます戻り鰹。
初鰹は戻り鰹と比べ
脂が少なめで
さっぱりとお召し上がりいただけます。
私が一番好んでおります食べ方が
気が狂ったんじゃないかと思うほどに
ミョウガやネギ
スライスニンニク
などの薬味を鰹の上に被せて
ポン酢を豪快にかけて
一気に頬張り
最後に冷えた日本酒で流し込む
という食べ方でございます。
今晩は
初鰹で一杯いきましょう。

小事、小言でございますが・・・。
とてつもない私ごとではございますが
私、鍋をとても好いております。
そう、あの出汁に具材を入れ
家族みんな囲いながら箸でつつく
あの鍋でございます。
正直申し上げますと
おそらく当店ございます
此処、鹿児島市金生町で
一番の鍋好きであろうと
自負するほどでございます。
世間一般に
「鍋奉行」という言葉がございますが
具材を入れる順番があーだの
シメを食べるタイミングがこーだの
あのうるさく嫌われ者の鍋奉行。
あれ、私のことでございます。
私ほどになりますと
鍋奉行であることを誇りに思い
街中を
「おぅおぅおぅ!」
と十手と提灯を携え
大腕を振って
闊歩するほどでございます。
「おぅ!元気にやってるか!?」
「へ、へぇ!」
「締めのうどんは最後に入れろよー!」
「へ、へぇ!」
少し面倒臭いが何処か憎めない
下町が産んだ鍋っ子奉行。
そんな鍋奉行の私が作る得意鍋は
3種類ございます。
水炊き
もつ鍋
キムチ鍋
この3種は
いつも気合を入れて作っておりまして
もちろん市販の鍋の素的な物は使いません。
一から出汁をとり
時には出汁を作るのに
2日間掛けることも。
キムチ鍋に至っては
香辛料をじっくり炒めちゃったり。
やはり鍋奉行を名乗るだけあり
手を抜くことは
お天道様が許しても
この俺が許しはしねぇ。
でございます。
しかぁし!
しかしでございます!
最近巷では
鍋と呼べない鍋が溢れております。
トマト鍋やら、豆乳鍋にカレー鍋。
てやんでぇ!!!
それは鍋とは言えねぇ!
スープだろうがぁ!
そう、最近はスープを鍋と呼ぶ
不届者がいるのでございます。
鍋奉行は考えました。
スープ鍋と鍋の違いは何か。
スープ鍋とはそのままの如く
スープをただただヨダレを垂らしながら
何も考えずに口に運ぶもの。
鍋とは
入れる具材の良さを引き出す為に作った
素晴らしい出汁でいただく
庶民的でいながらも
崇高なもの。
(鍋奉行に掛かれば、スープ鍋をこうもこき下ろします)
カレー鍋やトマト鍋なんて出された日には
御用だ御用だ。
島流しの刑に処すのでございます。
ある日のことでございます。
鍋奉行が仕事を終わらせ
家に帰宅致しました。
足の臭い奉行はそそくさと
お風呂へ直行し
身体を清めリビングへと向かいました。
リビングには
娘二人が既に夕ご飯を食べる為に
椅子に座り待っております。
私もそこへ合流。
すると妻が食卓へ一つの大きな鍋を
運んで来ました。
妻は言います。
「今日はごま豆乳鍋だよ!」
そう、そこには鍋の素で作られた
ごま豆乳鍋の姿が。
もちろん。もちろん私は
いつも仕事で掛かり切りの私に変わり
ご飯を作ってくれる妻に
感謝をしております。
し、しかし目の前には
ごま豆乳鍋(スープ)が。
仕方ないのでございます。
私は庶民の鍋の安全を守る鍋奉行。
身内だからといって
感謝しているからといって
これを許してしまっては
鍋奉行としての
示しがつかないのでございます。
私は心の中で泣きながらも
脇に携えた刀に手を添えました。
葛藤の中、震える手でゆっくりと
刀を抜いている最中
5歳の愛娘が一口
ごま豆乳鍋を口へと運びました。
(うぅ、、す、すまないお前たち。許しておくれ。)
刀を完全に抜き切ろうとするその刹那。
愛娘はこう言いました。
「今まで食べた鍋で一番美味しい(満面の笑み)」
(て、てやんでーーーー!!!)
私の知らぬ間に
我が家にやって来た黒船は
いとも簡単にギブミーチョコレート。
私だけが頭にちょんまげを着け
気づけば周りは
マハラジャでパーリーナイ。
ミラーボールが回る
人のひしめく密室で半べそをかきながら
鍋奉行は助けを求め辺りを見渡します。
(だ、だれか、、)
すると人混みの間から
白く綺麗な手が私の手を
力強く掴み
「こっちよ!」
と。
「あ、あなたは、、、?」
「私はごま豆乳鍋よ。」
私は食卓にあるごま豆乳鍋の
白菜と豚肉を一口食べ
こう言いました。
「まじイケてんじゃんコレ。最&高かよ。」
鍋奉行、切腹の話でございます。










