やっと秋がやって参りました。
もしかしたら
すぐに冬が訪れてしまうかもしれませんが
ぜひこの短い秋
お楽しみいただければ幸いです。
秋の花と言いましたら
色々とございますが
金木犀もその代表かと存じます。
あの甘い香りが鼻を通ると
秋だなぁ。
とより感じさせてくださいます。
またその香りはとても強く
聞くところによりますと
千里香とも呼ばれていたそうでございます。
また金木犀の名の由来は
花の部分を金に見立て
樹皮の部分が
動物の犀(サイ)の皮膚に似ている事から
金木犀と名付けられたんだとか。
ぜひ今年の秋は
玄関に金木犀を飾り
その香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

小事、小言でございますが・・・。
私、最近憤慨しております。
何にそんなに怒っているのか。
それは「意味がある」ということにでございます。
最近は映画・漫画、さらには仕事や時間。
ありとあらゆるものに
「意味がある」
ということが求められております。
伏線回収に燃える作家。
タイムパフォーマンスを重視する
社会人や学生の方々。
本当にそれでいいのでしょうか。
私は既に怒りを通り越し
心配でならないのでございます。
ヤッターマンのドロンジョ様がなぜボンテージ姿なのか。
・・・意味はありません。
マジンガーZのロボはなぜ鉄のパンツを履いているのか。
・・・意味はありません。
そのまんま東はなぜそのまんまなのか。
・・・意味はありません。
飛んでイスタンブールはなぜイスタンブールに飛ぶのか。
・・・意味はありません。
そうでございます。
一昔前までは、多くのものが
「なんとなくかっこいい」
「なんとなく素敵」
で動いていたのでございます。
昨今の「意味ありますブーム」を回避すべく
ここはなんとしても立ち上がらなければいけません。
そうと決まれば
まずは発起人の私が背中を見せるべく
先陣を切るのが大切でございます。
当事者意識を持ち
小さな事からコツコツと。
は意味ありますブーム問題も
環境問題も同じでございます。
意味があることは有限でございますが
意味のないことは無限です。
では、意味のないこととは何か。
私は考えました。
深く深く考えさせていただきました。
すると私の頭の中の天才が呟きます。
「う〜ん、、実に面白い。」
頭の中の柴崎的なコウのような人物が
前のめりに質問をしてきます。
「え、何かわかったんですか!?」
「少し静かにしててくれないか。」
そうすると脳内で
近くにあった棒切れを使い
地面に計算式を解き始めます。
(私の頭の中には使えない棒切れが結構な量散らばっております)
デュデュデュデュデュデュデュデュデュデュデュデュ〜♪
どこからともなく重低音を聴かせた
テンポの良い音楽が
流れ始めるのでございます。
「、、、わかった。答えはギャルだ。」
そうギャルなのでございます。
私の中のガリレオが
そう答えを導き出しました。
時代は変われどギャルはいつになっても
「え〜なんかめっちゃ可愛くね?」
とおっしゃっているのでございます。
もし平安時代に
ギャルが居たとしてもこう言うことでしょう。
これいとあてなるやうに見え給ふ。
と。
そう、私が目指すべきは
ギャルだったのでございます!
まさに灯台下暗しとはこのこと。
意味のないことを求めに求め
探し回りなぜこんな簡単なことに気づけなかったのか。
こんなところに青い鳥がいるなんて。
おぉギャルよ。
おぉギャルよ。
さて。このおっさんがどのようにして
ギャルになることができるのでしょうか。
ギャルのことを一切知らない私は
ギャルになる方法を
想像しなければならないのでございます。
なぜならおっさんが
そこらへんを歩く道端のギャルに
「ねぇねぇ、おじさんもさ、仲間に入れてよ。ねぇねぇ。」
などと尋ねた際には
私の純粋なギャルへの尊敬の念をつゆ知らず
気づけば拘置所で
「違う!違うんだ!ギャルこそが今の時代を救うんだ!」
などと喚き散らしているからでございます。
なので私は想像することに致しました。
ここからはおそらく。
でございますが。
おそらくギャルを目指す者達が集うお寺が
何処か深くそして高い山の上にあるはずなのでございます。
古来からあるそのお寺の門は
重厚で禍々しい雰囲気。
握り拳でその門を力一杯叩けば
ゴゴゴゴゴ・・・
と音を立て一人でに門が開きます。
すると広い石田畳みの庭にはたくさんのギャル。
いやギャルになりたい者達が
修行をしているのでございます。
長いキラキラした爪を折らないように逆立ちをする者。
色とりどり大量のマスコット人形を腕に付け
正拳突きを繰り返す者。
皆一様に苦しい表情を浮かべながらも
必死に鍛錬に励んでおります。
私があっけに取られていると
お寺から伸びる大きく長い階段を
一人の老師がゆっくり、そして力強く降りて来られます。
体には数多のマスコット人形をたずさえ
ピンクや緑に金色。
いくつもの色で染められた髪。
老師はこう私に語りかけます。
「一緒に頑張ればいいんじゃね?⭐︎」
と。
その日から他の見習いギャルたちと
厳しい修行に励む私。
冬の冷たい滝に打たれ
合掌をしながら
アゲアゲー↑↑!!アゲアゲー↑↑!!
と叫ぶ修行中の時のこと。
合間の休息時間に修行ギャル皆で
寒さに震えながら
小さな握り飯を弱々しく口に運びます。
すると隣にいた初老の男性が声を掛けてきました。
「わ、私はね莫大な借金を背負ってしまってね。そのせいで妻にも子供達にも愛想をつかれてしまって此処にきたんだ。」
彼は食欲が出ないのか
手に持つ小さな握り飯を
虚な目で見つめながら続けます。
「こんな苦しい世の中で、生きていく価値ってあるのかな・・・。」
極限状態のその言葉に胸の詰まる私。
「・・・あ、、、。」
言葉を返そうとするも
今喋ってしまうと
堰を切ったように涙が溢れてしまいそうな私。
「・・あ、、、。」
もう涙が胸のすぐ上まで込み上げてくるのを感じます。
私はなんとかグッと堪え
握り飯を頬張り
小さく、しかし力強くこう答えます。
「アゲアゲ〜↑↑⭐︎。」
今日の握り飯はなんだか温かく感じました。
ギャルだって辛いよのお話でございます。










